Puddle Sound #001 TOKYO
特定の場所に紐づく記憶の増幅装置
お気に入りの音楽をポケットに入れていつでもどこにでも持ち歩けるようになった現代。
いつのまにか、場所や時間から解放されていた“音’’を、ある特定の場所に紐づいた記憶として、人に意識させることができたら。
そんな発想から、Puddle Soundが提案する真空管アンプ 「#001 TOKYO」。
- 借景と借音 -
導入したのはaequence MIYASHITA PARKのスイートルーム。
一般的にホテル客室には、快適な空調、遮光性の高いファブリック、防音壁といった必要機能がついてくるので、窓から広がる借景の音は聞こえてこない。これを逆手に取り、スイートルームに「借音」という概念のもと、外の音を別の形で取り入れる装置を作り出した。
「#001 TOKYO」と名付けた重量感のある真空管アンプ(増幅装置)は、iPhoneに代表される現代のモバイルオーディオに対するアンチテーゼでもある。サウンドクリエイターの大河内康晴氏が渋谷界隈でフィールドレコーディングして制作した20分20秒のオリジナルのサウンドを縁側ソファ下のスピーカーから流すことで、宿泊客は、音と景色が結びつく、ここでしか味わえない体験をする。感動的な映画を観た後には、もう観る前の自分には戻れない。この部屋に訪れる前にはもう戻ることができない、そんな不可逆的な TOKYO 体験がここにはある。
Data
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Product, Art
Tokyo (Japan)
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Completion
2020.6
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Design
Masaki Kato, Ryoga Osada
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Sound engineering
Komatsu Sound lab
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Branding
Shun Kawakami & artless Inc.
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Metal work
REYT
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Glass work
Mihoya glass
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Acrylic work
HYODO KOGEI
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Plaster work
Haradasakan
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Photo
Takumi Ota