SOIL Nagatoyumoto

内と外を繋ぐ体験拡張
高度成長期の躍進と共に多くの日本人観光客を受け入れ癒してきた、積層型(6層)温泉旅館建築を、どのように街に開き、呼吸し成長していく未完成の器として生まれ変わらせるか。を主軸にデザイン計画を進めた。
街に対してクローズドな既存温泉旅館のグラウンドレベルを街に開き、同化させる。
開放的かつ人が流入しやすいファサードに作り替え、所々に人が自然と滞留できるスポットを点在させる。このアイディアは建築の目に前に流れる「音信川」の性質からいただくことにした。流れはとめない。その上で居心地良いお気に入りの場を設ける。
1Fはホテルフロント、レストラン、ラウンジ、アクティビティセンターを設け、
音信川の流れを感じる曲線的な形状と自然素材を用い、赤を基調とした暖色で地域性と活力を演出。萩焼の土や徳地和紙など地元素材を取り入れ、音響や照明、家具にも職人の技と優しさを込めている。
客室はかつての旅館仕様の記憶を残しながらも新たなかたちへと再構成した。カーテン越しの光や風、水音などが曖昧な境界を通して緩やかに交差し、季節や時間の移ろいに呼応する感覚的な空間を目指した。床・壁・天井は土を想起させるアースカラーで統一し、空や川、木々の緑から着想を得た碧緑の色をアクセントとした。蚊帳をイメージしたカーテンや葉のような照明が柔らかい印象で包みむ。感性がほどけ、心が整う、静かな居場所とした。
6Fは副交感神経を優位にする色合いを入れ、EVホールはタイルカーペットは寒色にし、EVから降り、気持ちを切り替え、更衣室は一度無になれるよう刺激的な色はなるべく入れず、更衣室を出た先に広がる景色を感じ取れるよう構成。
休憩スペースは長門湯本の景色を引き立てるため、全体のトーンを落としつつ、主張しすぎない素材とし、壁は親しみのある既存の石張りを活用。
サウナ室は街のシンボルでもある恩湯と同じく源泉を男女で共有するように、サウナ室内は熱源を男女で共有した。
このプロジェクトを通し、長門をはじめ全国各地に点在する積層型温泉旅館建築に新しい風と光が差し込む情景を想像し、その滞在が待ち遠しくたまらない。
-Shop Information-
SOIL Nagatoyumoto
https://soilis.co/nagatoyumoto/
Data
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Client
SOIL Nagatoyumoto
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Office,Retail Shop,Gallery/Studio,Event hall
Nagatoyumoto , Yamaguchi
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Completion
2025 , 02
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Total area
1F:366.72㎡
2F:396.41㎡
3F:402.43㎡
4F:412.85㎡
5F:223.93㎡
6F:226.28㎡
total:2028.64㎡ -
Design
Masaki Kato , Ryoga Osada , Yuko Yatsuyanagi
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Construction
ECOLA
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Landscape design
Oryza
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Lighting
ModuleX
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Funiture
acht、FLYMEe