TSUCHIYA KABAN KYOTO
碁盤の目の上の錫カウンター
革製品ブランド「土屋鞄製造所」のTSUCHIYA KABAN 京都の空間デザイン。
堺町通から東洞院通へ移転にあたり、手直しや加工ができるクラフツワークスタンドを新設する依頼を受けた。
空間の主役は商品であると同時に、その商品を作り出す唯一無二の職人の技術であり職人そのものであると定義づけ、世界中どこにもないクラフツワークスタンドを空間のへそに配置していくことを計画初期段階で決定した。
ではどのようなスタンドがこの場に適しているのだろうか。
私たちは、日本で最も古い京都の錫(すず)工房「清課堂」にリング状の3次曲面カウンターの作製を依頼した。気の遠くなる様な手作業によって、表面は革の様にやわらかく淡い光沢を作り出すことに成功した。
商品の展示には適さないカーブを用いることにより、空間全体に中心性をつくりだし、壁面の直線的な商品棚との対比を生み出した。
この錫カウンターでの所作が、碁盤の目のごとく敷き詰められた黒ピンコロ石のグリッドとの対比によって、商品と同様にこの空間の中で特別な存在感を放ち続けていくことを願う。
Data
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Client
株式会社 土屋鞄製造所
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Retail Shop
Kyoto (Japan)
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Completion
2023.5
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Total area
191.50㎡
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Design
Masaki Kato, Ryoga Osada
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Construction
Kikusui
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Lighting design
Light Concier Design Office Co., Ltd.