himie / Matsuya Ginza

素材が語るブランドの新しい出港
himie /繊細でシンプルで、ストーリーを持つプロダクト。
そのジュエリーに対して、空間は主張せず、ただ「そこにある」ことだけを求められた。
5年前のhimie松屋銀座の設計では、栃木の大谷石を選んだ。約2000万年前の火山噴出物が海底に堆積・固結した多孔質構造を持つ青みがかかった表面は、紫外線を受けて徐々に黄色へと変わっていく。フランク・ロイド・ライトが帝国ホテルで使用し、その知名度を世界に広めた石。大谷石とシンプルなステンレスの組み合わせで、銀座にhimieの最初の空間を生んだ。
それから5年。同フロア別区画への移転という転機が訪れた。
壁を持つ独立した空間ではなく、柱の前を3ブランドが共有するL字の什器で世界観をつくる——という条件だった。制約に見えたその条件を、逆転の発想で捉えた。「什器」という家具がブランドの空気を生み出せるのであれば、それはむしろ純化された強さになる。
選んだ素材は、チーク材と錫。
インドネシアやタイなど東南アジアで育つチーク材は、重く、硬く、木目が美しい。乾燥の強い日本の環境で大きな塊をそのまま使うことは難しく、希少性と価格においても容易ではない素材だ。その対極に位置する錫は、衛生的で、薄く伸ばせば様々な形に追従し、保温性を持つ。重さと軽さ、硬さと柔軟さ——互いがお互いの存在を讃えるような組み合わせを目指した。
チーク材は仕上げの二工程手前、鋸で引いた痕跡を残した状態で止め、錫は石の上で薄く叩き伸ばし、なめらかでありながらざらつきを残した表情とした。塊から切り出したようなチーク材を、柔らかな曲線を持つ錫が下から支える。その二つの素材の間に間接照明を忍ばせた。
重いはずの木材が空中に浮き上がり、錫の側面が足元の床をぼんやりと映し出す。大きな舟が、静かに銀座のフロアに浮かぶように。
京都の錫職人によって丁寧に作られた舟の上に、遠く東南アジアから運ばれてきたチーク材が乗る。この什器は、himieというブランドの新しい出港となった。
-Shop Information-
himie / Matsuya Ginza
https://himie.com/shops/himie-matsuya-ginza/
Data
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Client
himie
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Retail Shop
Ginza,Tokyo
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Completion
2026,04
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Total area
5.5㎡
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Design
Masaki Kato, Airi Suigai
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Construction
Bird office
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Photo
DAISUKE SHIMA













